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◆ Ⅸ - ⅲ ◆ Ⅹ ◆
「馬鹿にしてんのか? 分かるに決まってんだろ! つーかそんなの誰が見ても分かるっての! 花瓶に花が生けられてんだよ! お前馬鹿か?」
「うんYES、正解だ、正解なんだが……さあ再び山さん。この花はな~んだ? 花の名前を答えてみよう。ヒントはベルサイユ」
「うん? 花? ……えっと……バラ……だよな?」
「うん薔薇。真っ赤な薔薇。真っ赤な薔薇が一輪」
「……? な……何が言いたいんだ??」
「うん」
「オレさ……前にも言ったんだよね」
「????」
「やるなら徹底しろ……ってさ」
「あ……ああ、あれか」
「もう時さん吃驚しちゃってさ。何かなこの薔薇、オレどう反応したらいいんだろうか。もうやってらんねーよ。正解が見えない」
「…………?」
「……お、おい山本。そいつ大丈夫かよ」
「……何で薔薇かな?」
「「…………は?」」
「ここは菊だろJK」
「……へ?」「じぇーけー?」
「葬儀の時の花は、菊だろ。そんならここでの花も菊だろうがよ」
「……え?」「……あ」
「『うっそ知らなかった』って顔すんなよ! それとも、凄いうっかりさんなのか! 嫌がらせされてるこっちの身にもなってくれ! どう反応したらいいのか分からない! て言うか、あのさ、知ってるかな? 真っ赤な薔薇の花言葉っ!!」
「い……いや……」「し、知らねえっ」
「『情熱的な愛』!」
「………………え」
「有名な花言葉だ。告白されて時さん困っちゃうのだぜ、いえっはー☆」
「これ置いた人をオレは振る事になるのか……君がせめて二次元だったなら、オレもきっと揺らいだろうによ。哀れな奴だぜ。だが気持ちを受け止めさせて頂こう」
「ちょ!!!!」
「ん~何かな~? どうしたのかな~かな? 時さんはこれを快く受け取るわけだけれど……何かな? クラスメイトA君はどうしたのかなあ?」
「ふふふふはははは(お腹の底から)ぬるい、ぬるいわ、このオレを屈しさせたかったら、ジオンの足なしMSを用意する事だな青二才め!」
喧嘩売っていた少年を撃退出来た事に、満二十歳の成人時さんは満更でもなかったりする。こういうのを、駄目な大人と言うんだろうね。
「ちょ、おま! 止めてくれるかな!?」
「はは! いいだろ少しくらい! それにしてもすげーな時、全然へこたれねーのな! お前って実はSなんじゃねーのか!」
「ははは、友達にはMと言われるけど、Sに近いノーマルだ」
「はは! わっけ分かんね!!」
ツナと、ごっ君だ――――