◆ Ⅲ - ⅴ ◆ ⅩⅩ ◆
帰りは橋から逃げるように、帰った。
流石にもういないとは思った……けど、いたらいたで、揺さぶられない自信はなかったし、だからツナ達と一緒に遠回りして帰った。面倒だったけど、まあ……仕方ない。
……大丈夫。大丈夫だ。もういる訳ない。
たかが時計だ。そこまでして、何があるってんだ。
大丈夫だ。無茶なんてしないさ。だって大人だ。だから大丈夫だ。
(…………あ)
テレビに映る野球中継。
見ていたはずのそれは、もう何がどうなっているのか分からなかった。
好きな選手がヒットを打ったらしい、点が入っていた。相手チームの選手がホームランを打ったみたいだ。歓声が上がってた。その選手にとってそれは記念すべきものだったのか、敵地なのに一際大きな歓声だった。
何時もならオレも一緒になって喜んでるはずだ。
だけど何でか、大きな歓声の声が遠く聞こえる。
理由は……理由は、嫌と言うほど分かっていた。
頭の中がぐちゃぐちゃするんだ。
何でだか言い訳を繰り返す自分が、訳分かんなくて。
あいつに対して、本当はどうしたいのか、気持ちがあちこち行って……
「時……もう帰ったよな?」
ぽつりと漏れた言葉の内容は、よく覚えていない。
気づいた時にはもう、テレビの前で眠りに落ちる寸前だった。
オレは一体、何を呟いたのか、どうでもいい事だけど……
その時に見た夢は、あまり気分のいいもんじゃあなかった。
* 09/06/14 * Re:12/05/13 ******** Next Story - G・Hayato.
◆
ⅰ
ⅱ
ⅲ
ⅳ
ⅴ
◇ BACK ◇ NEXT
◇ TOP ◇ SITE TOP