◆ Ⅴ - ⅱ ◆ ⅩⅩ ◆
――――そこを通ったのは偶然だった。
ボーっと歩いてて。
したら、手に持ってたズポーツバッグを落としちまって。
それを拾う為に、下を向いて。
川、と、階段、が目の端に入って来た。
……あぁ、またこの橋か、なんて眉間に皺寄せて、こんな所さっさと離れよう、と思って、顔を上げて、学校へ向かおうとしただけ。だと言うのに、妙に良いオレの視力が奇妙なモンを捉えて。
足、が。
目の端に写った。
それを視界に写して、何を思ったって訳でもない。
少しだけ疑問符を浮かべただけ。
バッグを拾う為に曲げていた体を伸ばして、顔を左に向けた。
コレは、突発的な行動の流れ。
視界の端に捉えたままの足を、自分の目に全てを写す様視線を動かす。
コレも、人間が持つ厄介な好奇心の所為。
見る事、に大した気持ちなんて無かった。
ただなんとなく、そっちに目を向けたってだけだった。
意識して、ではない、自分の行動。
だから、余計に驚いた。
目の前で起きてる事に、頭が追い着かなくて。
目の前の光景に、体が固まって、心も止まって。
声が震えて。
時間が止まって。
心臓が跳ね上がって。
「……と、き……?」
目の前で、倒れて動かない人間に、世界が揺れた――――
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