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そもそも、我々は、彼らに対して手を出せないのだ。
決まり事……と言えば、簡単すぎる説明ではあるが、まあ、そう言い表すのが最も妥当で、最も分かり易い言葉だろう。他の言葉では、複雑が過ぎてしまうものになる。
だから、そう。
これは、決まり事だ。
人間に対して、殺傷・抹消・改変・誘導……要は、存在や、歴史に関わるであろう事への干渉をしてはならないのが、我々の決まり事。『絶対』だなんて言った奴が居たかどうかは知らないが、暗黙の原則なのだ。
だから、あの子が必死にならなくとも、彼らが傷付く事はない。
だが、それを知られてしまっては、結果は最悪になりかねない。
これは、世界の統制になるのか。
いいや、違う。あの子に、統制はもう、必要ない。
統制されるべき存在では、もうないのだ――――
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