ⅩⅩⅩⅦ - 人皆旅人

◆ Ⅶ - ⅰ ◆ ⅩⅩⅩ ◆

 世界はこんなにも輝いていたのだ。

 決定された枠組みの中でも、全ては確かに生きている。
 疑うことなく、ただ純粋に、一時一時を大切に生きている。


 輝いている。
 だが、それでも、動いて欲しい。


 違う流れを築けるのが、人間じゃないか。抵抗するのが、人間のくだらないところじゃないか。それができる存在として生まれたのに、それをできないだなんて、勿体無いじゃないか。

「これは我が侭か?」
「愛するが故の、想いだよ」

 愛? 想い?
 そんな陳腐なものを、あの子はワタシに与えたのか。

「……恐ろしいな、恐ろしいよ」

****************************** Next Page.

BACK   NEXT
TOP    SITE TOP