ⅩⅩⅩⅧ - 人皆旅人

◇ Ⅷ - ⅰ ◇ ⅩⅩⅩ ◇

 願う事なんて一つとなかった。

 ただ過ぎるばかりの中に存在していた。
 ただ流れる世界の繰り返しを眺めていた。
 けれど些細な変化が起こってしまった。
 それは自由な世界にいた存在だった。
 唯一憧れた世界からの流れ者だった。
 たった一人。
 ただの人間。

 それが酷く、眩しかった。

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