◇ Ⅵ - ⅲ ◇
「きょっ! 京子ちゃん!? ……に、ハルぅ!?」
オレが突然でかい声を出したもんだから、少女二人その肩がびくりと跳ねた。勿論、隣のボンゴレズも吃驚顔だ。いや、うん、実にすまないとは思う。本当に、ごめんねだ。でも察してくれ、混乱している状況で冷静に対処できる程オレは優れていない。
「え?! ちょ!? またそっくりさん!? どうなってんだこの町!」
ご乱心のオレに、すかさず突っ込んで来るツナ似さん。
「どうもこうもそっくりさんって……京子ちゃんもハルも本人だよっ」
「待て! 待て少年! 百歩譲って同姓同名同じ顔だとしようっ。イヤそう考えるしかない。うん選択肢はそれがいいっ」
はあ? って顔でオレを見てくるツナ似の少年。
うん、謝る暇も無い。
正直今の、本人だよ、って言葉で嫌な汗が、ぶわっ、と吹き出た。だって“本人”だなんてありえない。『REBORN!』というのは漫画で、二次元で、紙の上の物語で、本人だなんてありえないんだ。
でも、でも……だ。
目の前の皆はあまりにも似ていて、似過ぎていて、ありえないのに、ありえない筈なのに、そうなのか、と思い始めているオレもいて、けれど、どうしても認めたくないオレもいて、オレはオレに板挟み状態。
うんうん、首を捻っているオレ。そんなオレを見て本当に微妙な顔をするそっくりさん達。そして、そんな状況だと言うのに肩の上の少年は、やはり見た目には似合わない冷静さで、静かに状況を見ている。銃はもう向けないでくれている様だ。
……うん……うん大丈夫。
このまま唸っていても彼等に迷惑がかかるだけだ。
大丈夫、うん、大丈夫だ、そもそもありえないんだから。
真面目に言葉を言えば彼らだってきちんと返してくれる筈だ。
だってこんな状況“ありえない”んだから――――
――――馬鹿な事を、呟いている。
オレの中の冷静なオレが慌てふためくオレを見て嘲笑っていた。
分かっている。もう本能で理解してしまっている。きっとオレは“非日常”に踏み込んでしまっているんだ、と。“非日常”に溶け込んでしまっているんだ……と。でも認めたくないんだ。人間ってのはそう簡単に“当たり前”を捨てられないんだ。
だからオレは必至に否定する。
頭の中で、諦めろ、と言う様に繰り返される言葉を。
『ありえないは、ありえない』
とある漫画の人物の、オレの心に響いた言葉だ――――
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