Ⅶ - 人皆旅人

◆ Ⅶ - ⅳ ◆

 ――――トランスフォーメーション。


 出来たらいいな、と走り続けて、数分経過。
 その数分が、オレにとっては数時間。

 馬鹿だよ学ラン、あの学ラン馬鹿だよ。こんなひ弱な一般市民追いかけて何が楽しいのか今畜生。て言うか、トンファーやめてトンファーやめてトンファーやめて×百。そんな、ゲームでしか出てこない様な物騒な物、持ち歩かないで。なんて思いを聞き届けてくれるはずもなく、本日何度目かの攻撃が放たれる。

 壁に穴。
 その下にオレ。
 その上に微笑む学ラン。

「君、逃げるのが上手だね。勿論逃がしなんてしないけど」

 そこはキャッチ&リリースだよ少年。いや捕まらないけどさ、キャッチなんてされたら確実に地獄逝きだからさ。

 て言うか君誰かに似てるね、うん。

 そんな放心状態(?)のまま――の訳が無いオレは、そのまま身を翻して、また逃走を開始。そして学ランも追跡を開始。

 こんな映画があったね。

 なんて言ってる場合ではなく、この状況をどうしたものかと考えをめぐらせる。このまま逃げ切れるのかオレ? とか。このままヤツに消されるのかオレ? とか。いっそ、戦闘エンカウントしちゃう? とか。

 もう、乱心に、乱心の上乗せ。

 ぶっちゃけ、彼の声を聞いているだけで、胃に負担がかかる。
 今にも、エチケット袋が欲しい感じです。

 そんな、何度目かの諦めが頭の隅をよぎった、その時。
 幸運の音楽が聞こえてきた。



 ――――チャイムだ。



 そこでオレは、ハタと思い出す。

(ツナ!!)

 そうでした、オレはツナに箸を届けに来たのでした。

『箸を届ける』コレ、当初の目的。
 現在。
『助けを請う』。

 一応、同じクラスには、彼と彼が居る訳だからね。

「勝機は我にありぃ!!」

 嬉々として叫びながら走るオレ、目指すはツナ達のクラス。
 でも、追尾機能を備えたミサイルが軌道を変えられなかった。

「ワオ。勝つ気?」

 はっはっはあ。
 死ねる。

 いやだもう。この人怖い。貞子より怖い。呪いより怖い。湯婆々より怖い。存在がホラーだ。存在がパニック映画だ。歩く人間核兵器だ。地雷原が傍にあるようなもんじゃないか。いくら熟練された兵士だって、学生を装った爆弾なんて見破れる訳ないじゃないか。

 ああ、もう鬱だ。
 死ねる。

 でも、諦めるものか。
 背後に嫌な気配を感じるが、もうすぐ安全圏内に入る。
 ラストスパートはBダッシュだよオレ。絶対にBボタン離すなよオレ。
 離したら――――




 ――――死ぬと思え!

08/??/??Re:10/05/16 ************** Next Story.

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