◆ Ⅶ - ⅰ ◆
世界移動、と言う、素敵に痛い体験をしてしまった白井時さん、只今、この世界の主人公たるツナにお箸を届けるべく(なんと容易いクエスト)並盛中学校は校門前に来ております。ふふふ、羨ましいかこのヤロウ。羨ましがれよこのヤロウ。本物だよ畜生め。でも結構、普通だったよ、ははは。
なんにしても、とりあえず。
白井時、精神年齢二十歳。
オレ生きてて良かったです。
けど、やっぱりと言うか、なんと言うか。校門が見事に閉まっている並盛中。まあ昨今は、不審人物が横行している世の中だから、仕方がないことなのだけどね。というか学校側の常識ですからね。でも、これではオレが中に入れないという……どうしようか。校内探検もとい、ツナへお箸を届ける、という重要任務が遂行出来ない。
しかし、抜かったな。
この程度の逆境、打ち崩すなど容易いのだよ。
よいではないか、別にやましい気持ちで入るんじゃないんだから。
よいではないか。よいですよね。問題ないですよね。
オレ善良な一般市民だものね。いいよね。
もう、よじ登ってんだけどね。
ふははは(お腹の底から)。
こんな壁でオレの任務を邪魔出来ると思うなよ、教師諸君。
校門をよじ登る事など、若返ったこの身には、なんの苦でもないわ。脱獄囚が如く、登り、飛び、着地し、走る……脱獄囚の欠片もなかった訳だが、気にしない。人生ノリが命のオタクだ。
でも、気分だけは、まるで007(ダブルオーセブン)。
さあ、後はこのまま校舎内へと潜入し職員室で“うろうろしていいよ許可”を取るだけだ。ついでにツナのクラスが何処か聞きませ……あ。今更ながら、今“この世界の時間軸”は物語のどの辺なんだろうか? それさえ分かれば、ツナが何年生か、でクラスが分かるのだが。フゥ太がいるから……むっ君(六道骸)はもういるんだろうか?
……によにより。
(ヤバイねそれ、実はむっ君、ボンゴレの中で一番好きなんだよね。だってマーモンに圧勝だよ、圧勝、あれ酷くないですか。あの人絶対Sだよ。どっかのサディスティック王子に引けを取らない、ドSだ)
長ったらしい事を一人ごちつつ(頭の中で)靴箱のある正面玄関を目指すが、ハタから見たら痛い人、オレ。いや、否定は出来ないけれど。否定する気もないけれど、一応ここは“教育の場”なので、不審者扱いでお縄になるのは御免だ。
なので、ひとまず平静を装って、一般人スキル発動。
独り、むふむふ、言ってる所なんて見られた日には、言葉でフルボッコ受けること請け合いだ。でも、ちょっと遅かったようだよオレ。若輩者め馬鹿。よりにもよって、あん畜生に見られてたとか、死ねばいいのに、オレ。
ああ、死亡フラグがそこら中に――――
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