◆ Ⅰ - ⅵ ◆ Ⅹ ◆
「昨日の深夜に強姦未遂があったらしいぞ。犯人はまだ捕まってねぇみたいだ。なんなら今から捕まえに行くか? いい修行になるぞ」
突然背後に現れたリボーン、もとい、パオパオ老師に皆驚愕。
「なんか言ったか」
「本当すんませんした」
「強姦、と言うとあの強姦か? 老師」
「そうだぞ。この近くにある高校の女子学生が襲われたらしい。まあ未遂だけどな。何にしても趣味のいい事件じゃねぇな」
「う、うん、京子ちゃんとか、大丈夫かな……っ」
「心配ありません! 大丈夫ですよ十代目! そんなふしだらな馬鹿野郎は、十代目の右腕である、このオレが、ぶっ飛ばしてみせます!!」
「そうだぜツナ! いざとなったらオレだって何とかすっからさ! 坊主に貰ったバッドでコテンパンに伸してやるよ!!」
(オレも山さんみたいな人間に生まれてたらなあ……)
皆の意見にうんうん頷いたり、たそがれたりしてたら、いつの間にかオレの足元にまで来ていた老師と、目ががっつり合ってしまった。そんなつぶらな瞳で見られると時さんドキドキしちゃう。
「馬鹿な事考えてねーで、とりあえず俺の言う事しっかり聞いとけ」
「へ? うん……うん? あれ? オレに用事?」
「そうだぞ」
「暫く身辺に気を付けろ。俺は手を出せねぇ上に口も出せねぇ。お前が何とかしねぇ事には現状は動かねぇんだ」
……はあ。
「この事件に関係あるんすか??」
「そうだぞ」
「オレが?」
「そうだって言ってんだろ」
「……はあ?」
「何すんだよ!」
いきなり撃ち抜かれたもんだから、その場に尻もち付いて腰に来た。「いいか、絶対に油断するんじゃねぇぞ。何かあったらすぐに言え。何も出来ねぇが、お前さえ動けば、オレも手だって口だって出してやる。だから、しっかり考えろ。これはお前がどうにかしなきゃならねぇ問題だ」
そう言い連ねるリボーンの言葉を聞いて、オレだけでなく、その場の全員が呆ける訳だが、昼休みの終わりを告げるチャイムが鳴リ響いてしまったので、話は中断。何やら、胸中もやもやとせずにはおれなんだが、とりあえずリボーンとは屋上で別れ、教室に帰還。その後の授業は眠る事はなかったものの、やはり、もやもや……リボーンの顔がちらついてどうにも集中できなかった。……この世界の何処にオレの問題が転がっていると言うのか。
窓の外に広がる青い空。