◇ Ⅱ - ⅳ ◇ Ⅹ ◇
オレは結構、中々に能天気な構造をしていると思う。
なんと言えばいいんだろうかな。
アニメ見たり、漫画読んだりしてたら、元気が出る、低燃費。
アニメごっことか、漫画ごっことかしてても元気が出る、低燃費。
フィギュアとかは、ちょっとお金が掛かるけど沢山元気出る、高燃費。
まあ、そんな感じで、なんやかんやあっても、アニメや漫画やゲームがあれば、ちょっとやそっとじゃ簡単には潰れない、精神的頑丈さを持っていると思う。
ただ、それでもオレは人間なので、傷つく時は傷つくし、へこたれる時はへこたれる。なもんだから、ちょっと、今の状況には正直、びくびくしていたりする。
学校への通学路。
校舎内廊下。
流石にオレも、疑問を感じる。
「……なあ、ツナあ」
「え? ん? ど、どうしたの?」
「オレ、なんっかしたかなあ?」
えっ!
……って、またツナきょどるしね。
ツナが変なのにも関係あるのか?
オレ達は今、一年A組へと向かう為に校舎内の廊下を歩いている。別段何の変哲もない廊下なのだが、問題はその廊下にちらほら居る学生達にある。
何故か知らぬが、オレってばものっ凄い注目の的。
廊下を歩けば、どんどん皆さんが道を開けていって、まるで気分はスーパースターな花道が出来ていく。だけど、この花道はそんなに気分のいいものでもない。オレへと道を明け渡した生徒達は廊下の端で団子を作り、ひそひそと、口々にオレへの罵倒を吐いているのだ。気分良くなったらオレはマゾヒストになってしまう。それは頂けない。
それにしても、随分と大きな陰口だ。
「なんで、来てるの?」「神経疑う」「実はマジでバカなんじゃ」「バカだからあんな事したんだろ?」「気持ち悪い」「風紀に殺されたりして」「さっさと帰ればいいのに」「バカだから自分の状況分かってないんじゃねーの」「バカすぎだろそれ」「風紀委員長呼ぶか」「超うざい」
まあ、そう言った実に可愛らしい、罵倒を次々……あ。あ、いや。なんか、恐ろしいのが紛れ込んでいた気がしなくもない気がしちゃうぞっ。
ま、まあいいや。
別段、この程度で憤慨する歳でもないし、何より、オタクである以上、もっと酷い、根底から存在を否定されるような罵声を浴びせられたりしているのだ。その程度の弾幕で私を否定できると思うな、ふははは!
けど、流石に、急激な周囲の変化に対しては、疑問を抱いてしまう。
だからと言うかなんと言うか、疑問をツナにぶつけてみたのだけど、駄目だこりゃ。ツナも答えてくれそうにない。目を合わせようと顔を向ければ、見事なまでに逸らされるし。この現状について尋ねてみれば、濁り酒か、ってくらいに言葉を濁す。
全くもう、近頃の若いモンは、そんなに秘密を持ちたいのか。
仕方がないので、ここは自分の可哀相な頭を駆使して、ディデクティブな考えをしてみようと思う。ツナに尋ねても状況は変わらないと察したからね。オレに残されているのは、自らの脳に頼るという、実に無謀な選択だけなのだ。
……とりあえず、ツナが変になった理由に付いて考えてみよう。
目を瞑って、腕を組んで、唸る。パイプは無いけど、まるでホームズ。
確か、ツナが変になったのは今日の朝だ。
居間に行ったら、なんかツナが怒鳴っていた。
うんそうだ。確かあの時のツナは、オレがどうとか言っていた。
そして、やたらに焦ってテレビの電源を切っていたな。
なるほろ、テレビ。
あの時の皆はテレビを見ていたんだ、となると番組を絞る必要がある。
まあまあ、朝なんて大概ニュースだろうが。
じゃあ、ニュース関連でオレ関連についてか。
どんなだ。
『怪奇! 並盛町に異世界人現る!?』
いやいやいやいやいや。
ねぇおっ。現場ツナの家ですよっ。マスコミなんていねかったよっ。そもそも、そう簡単にばれてたまるかっ。異世界人が探せりゃ、不法入国者なんてこの国から消え去ってるっつうの!
結局巡らせたオレの推理は、てんで駄目な物となり、あまりに駄目だった所為か、声に出してまで自分を否定しているオレが居た。それにすかさずツナドン引き、もとい吃驚。一瞬いつものツナに戻ったのが、今のオレには嬉しかった。
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