◇ Ⅱ - ⅴ ◇ Ⅹ ◇
やっぱ凡人には阿呆な面が似合うよな。
平和の象徴でもあるしな。
いや、違うかな。
いや、いや、いや。
色々な事に関しての、なんやかんやの一人相撲。
時間潰しには中々だったらしく、気付けば目的の場所たる一年A組の教室に辿り着いていたりした。頭を使う事に慣れていないオレは『もういいか』と、考える事を放棄。教室の扉へと手をかけて、今だにもやもや、しているツナと共に室内へと足を踏み入れる。
入れたら吃驚、もういいわ。
いやもう、時さんさっぱり着いて行けない。
教室内に入ると、廊下で浴びたものと同じ視線をクラスメイトに浴びせられちゃうじゃございませんか……が、そこはどうでもいい。オレが驚いたのは、自分の机の現状だ。
オレの机には、何故だか、山さんとごっ君が寄り掛かる様にして立っていて……なんだろうか。机を拭くような作業をしていた。
野球部エースと、マフィアボーイを顎で使うオタク、ぱねえ。
ではなくて。なんだこの斬新ないじめは。
傍まで寄れば、やっとオレとツナに気付いたのか、一瞬だけ二人が焦った様な顔をする。次いで、上手く作れていないが、笑顔。ツナだけに飽き足らず、二人の様子まで変な事に、いい加減オレも少しだけ眉間に皺を刻んだ。「何してるんだ?」と、普通に思った疑問を投げ掛ければ、尋常ではない反応を見せる二人。
「べっ、別に何でもねーよ! な、なあ獄寺??」
「お、おぉよ! た、大した事じゃねぇっ!」
獄寺さんが山本さんに、同意した!
てら怪しいじゃあねえか。
登校時のツナと似たような反応を示す二人に、ちょっとうんざり。
していたら山さんが、これまた焦るようにオレへと声を掛けて来た。
「そ、それよりも時、ちょっと向こうで話があんだけど、オレと一緒に来てくんねーかな? その、えっと、あー……と、とりあえず向こうに」
ん? ニュータイプに目覚めたぞオレ。
「なんで? ここで良いじゃん?」
別に話ならここで良い、そう思ったのは本当。でも少しだけ、この場を離れたくない、って言う意思も働いた。何せオレは見てしまった、山さんがオレから隠すようにして、オレの机を背にした事を。
だからの質問。
だけど、彼もココで引く訳にはいかないのだろう。オレの言葉に少しだけ動揺を見せた山さんだったけど、少しだけ眉間に皺を寄せて、再び言葉を発し始めた。
「皆には聞かれたくねー話なんだよ。だからさちょっとだけ、な? すぐそこの廊下でいいからさ、頼むよ時。な! お願い! この通り!」
懸命に頭を下げてくる、野球部エース君。
しかし甘いな少年よ。
流石のオレだってここまで隠されちゃ否が応でも気になります。
「嫌だよ。山さん何を隠した? オレの机に何かあったのか? ごっ君もさ。二人で何してたんだ? いじめか? 人気者二人による、新手のいじめなのか?」
オレの唐突な言葉に、山さんだけじゃなくごっ君の肩まで跳ねる。
勿論、二人がいじめなんていう事をする腐れ根性なんて持っていない事は百も承知なのだ。これは単なるオタジョークだ、オタジョーク。でも、ちょっと『いじめ』に反応していたでありますな。
オタク。
いじめ。
学校
机。
ちょっとした予想を頭に、机へ視線を向ける。
この四つの単語で想像できる事など、悲しいかな容易いんだぜ。
「読めたぞ」
人間の動きは思った以上に速いもので、目の前の山さんを力の限り左へ押しやって、静止にかかるごっ君をも火事場のくそ力で右へと退かす。
そして辿り着くオレの机。
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