◇ Ⅳ - ⅱ ◇ Ⅹ ◇
時と分かれた後、十代目と共に何時もより少し早い帰路に着いた。周りはまだ明るく、陽の光も赤みを帯びていない。帰り道を薄暗く感じるのは恐らく、オレと十代目の纏う空気の所為だろう。
「………………」
並中を出てからというもの、十代目は一言も喋ってくれなかった。オレが場を明るくしようと色々話しても、帰ってくる反応は気の抜けた返事だけ。最終手段で無駄に明るい山本の話も振ってみたが、見事に撃沈だ。
結局最後はオレの方まで口数が減って来て、今はただ何も言わずに足を動かしているだけの状態。歩いている間に考えていた事は、多分、十代目と同じ事だろう。
ヒバリのクソ野郎が言っていた、あの事。
今並中の近辺で、なんとも低俗な『連続強姦未遂事件』が起きている。昨日、一昨日と、この二日で数件もだ。そして現在、その犯人は時……白井時って事に、どうしてかなってやがる。しかもヒバリの野郎は、時がマジで犯人だ見たいな事を、さっき教室で言いやがった。
その後からだ、十代目がおかしくなったのは。
『疑ってる』と、ヒバリに言われてからというもの、ずっと影を背負っていらっしゃる。あんな奴の言う事なんて、気にする事ねぇのに。そもそもがありえねぇ話なんだよ、あのチンチクリンが、こんな大それた事出来る訳ねぇんだから。
……だから。
……だから大丈夫だよな?
……なあ、おい――――
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