◇ Ⅳ - ⅴ ◇ Ⅹ ◇
爆煙が晴れて眼にしたのは、オレの体を支えてくれている、黒服スキンヘッドのおじさん。そして、その人の肩に仰向けで米俵の様に乗っているオタク。
「……あ、えっと、も、申し訳アリマセンネ」
「気にするな」
「――――――――――――――――っ!!!!」
左足に走る、表現のしようがない激痛。
「……おい坊主、大丈夫か?」
「大丈夫だと言わせる日本人の根性舐めんなよ、と言いたいところなんですが、さっきの爆発で、その根性すらも吹っ飛んだと言いますか、イタリア製手榴弾も馬鹿に出来ないと言うか、これだから軍のある国は、と言うか……て言うか同盟国じゃなかったのか。訴えるぞ。国に訴えるぞ。『日本人をカモにしたら呪われるぞ』って訴える――――うお、いってっ!」
「おいお前ら! 笑ってる暇があるなら手当ての一つくらいしてやれ!」
オレの代わりにどちらさんかが、おじさん達を叱ってくれた。「悪ぃな、こいつ等も悪気が合った訳じゃないんだ。ただ、お前の……その……く……小気味いいバカみたいな、せ、台詞が……っはははは!」
語尾がどんどん笑っていって、どう見ても喧嘩売ってるようにしか見えない、金髪の外人兄ちゃんが現れた。黒いおじさん達を押しやって沢田家玄関から現れたその人は、なんと言うか、軟派なのに格好いい雰囲気。イケメン爆発しろ。
「そうか。これがイケメンマジックか」
「は?」
「ああ、すみません、イケメン」
「……は?」
「ああ、いえいえ、なんでもないです。すみませんイケメン……それより一つお聞きしたいんですが、イタ公は日本人嫌いですか? だからカモるのですか?」
「…………は?」
「痛みに堪える日本人を笑って楽しいかとお尋ねしたく思うのだが!!」
「あ! いやホント、悪気は……っ」
「無邪気な大人ほど邪気の塊はなっ――――いぃぃい!!!!」
「お、おい大丈夫か!? とりあえず、ほら、掴まれっ」
「うっ……畜生っ、申し訳ない……っ!」
「おい歩けそうか? なんなら俺が担いでいくぜ?」
「え…………っは! い、いえ! 仮にもディーノさんは、キャバッローネファミリーのボスなんだから、そんな偉い人の手を、こんな何処のオタの骨ともしれない奴の為に煩わせる訳にはいきませ――――!(体が凍る激痛が走った)い……いきませんっ」
「いや、やっぱここは貴重な申し出を受けるべきか!」
「………………」
「いやしかし!」
「…………なあ」
「なれどもしかし!」
「…………なあ、おい」
「いや、オタクとしてここはやっぱ!!」
「……なあ、何で俺の事知ってるんだ、お前」
「いやだって有名だし!」
「何処の世界で有名なんだろうな坊主? 詳しく聞かせて頂こうか?」