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◇ Ⅵ - ⅳ ◇ Ⅹ ◇
今のオレは、さながら、もの凄く不安定なジェンガの棒を見事引き抜いて、なおかつ、上に積み上げちゃったヒーローな感じではないだろうか。て言うか起きない、この人。怖い。天変地異の前触れかなんかじゃないのか。並盛の平和が崩れ落ちる前兆ではないのか。
「……何を、しているんだ?」
「えっ!?」
「いいいい、いるなら、いるって言って下さいよっ! どこの戦艦かと思っちゃったじゃないですかっ! ああああ……びっくりしたっ」
「は……あ……戦艦? ……は、良く分からんが。いや、なんだ、あまりにも危険な事をしていたんでな、どう声を掛けようかと……」
「いやすみません。あまりにも起きないのでつい」
「何が?」
「ん? いやあ、だってほら、いっくら小突いても起きないんですもん、なんか楽しくなってきちゃって、怖いもの見たさと言うか、いや別にマゾヒスティックな、そういう事ではないんですけど」
「ふーん」
「いやほら、人間ってなんだかんだ危ない方向に進みたい生き物な所があるでしょう? 実はオレ、そういう欲求を押さえるのが凄く苦手でして」
「例えば?」
「例えばそうだな~、『押すな』って書かれた明らかに良くない事が起こるボタンを押しちゃうとか。絶対良くない事起きるっていうのに、いかんすなあっ」
「莫迦だね」
「ぎゃ! 草壁さんにけなされた! 性なんですってこれ! 人間の悲しい性! 怖いって言うのに、心霊番組見ちゃうとかあるでしょうっ?」
「……怖いの?」
「怖いってあれ! 人類の恐怖だね! ありえないっすわ! 尋常じゃない! オレあの手の番組見た日はもう駄目で必ずでっかいボン太くんを」
「……何それ」
「あれ知らないですか? フルメ……ってあ、そっか、こっちには無いのか。あ、そもそも、そんな一般層狙ってるようなアニメでもないや。所で草壁さん、急にお声が高くなっていらっしゃりますが、風邪でも引かれたのですか?」
「お、俺ではない」
「ん?」
「僕だよ部外者。何? 僕の声も分からない程にその脳は劣化した?」
「草壁さんオレを助けると思って奴を滅殺して下さい」
「は!!??」
「きっと貴方ならやれる、オレは信じてる、ビリーブ」
「莫迦やってないで、さっさと仕事出して」
「今日の仕事、忘れてるよ」
「あい、すみませんでした、さようなら」
「待ちなよ、今日は雑用をやって貰うよ、だから、お茶」
ちくしょーーーーーーーーーーーーー!!(雑巾汁でお茶入れてやろうかな)
応接室の隣に元々造られていたのであろう、小奇麗で小さい、けれども確実に利用性のあるキッチンにて、昼ドラ顔負けの策略を練ってみる。何も、台所付きの応接室独占しやがって、とかの恨みではない。ましてや、逆恨みなんて図々しいものではない。もっと、はっきりした憎しみだ。