◇ Ⅱ - ⅱ ◇ ⅩⅩ ◇
あの日……時が女の子を襲っているのを見た、あの日。
あの日から数日が経って、あの日からオレは、時と会話をしていない。
あの日のその日に、時が戻ってきたら話をしようと思ってはいたけど、ヒバリさんに殴られた時は、草壁さんに連れて行かれたっきり、残りの授業には顔を出さないで家に帰ってしまっていた。だったら、家に帰って話を……と思えば、先に寝たらしくって顔を合わせることはできなかった。
『じゃあ……明日話そう』
……話せなかった。
『なら……明日だ』
……駄目だった。
『それなら』
無理だった。
ずるずる、ずるずる、日が経つにつれて話す切っ掛けがなくなっていった。家にいても気まずくて、教室にいても気まずくて、学校にいても気まずくて、どうしたらいいのか分からなくなって……ふと、何日かめに気が付いた。
学校までの道すがら、獄寺君が、山本が、オレの周りの並中生が、時の姿を目に留めて、口々に呟いていた。それはずっと、オレの周りで聞こえていたもので……“オレ自身”も否定しないで……むしろ、頷いていたような事々で……
『――――どうして強姦魔がうろついているんだろう?』
噂だったものだ。
オレは信じていなかったはずの事だ。
でも“あの日”にこの目で見てしまった時から、そう……
機会がなかったわけじゃない。
タイミングが合わなかったわけじゃない。
だからって擦れ違いが続いたわけでも、なんでもない。
ただオレが、時の事を避けていただけでしかなかった――――
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