◇ Ⅳ - ⅱ ◇ ⅩⅩⅩ ◇
――――根性でどうにかなる事とそうでない事って結構あると思う。
何それが出来ない、ならば気合でどうにかしろ。何これが苦手、根性でどうにかなる。何それは無理だ、やってみなけりゃ分からない。何これをどうしろと、どうにかしろ。無茶言うな、根性で押し通せ。
無茶苦茶だ。
そりゃあ、気合の入りようでは心持ちが変わるだろうが、それだけだ。宇宙空間で宇宙服を着ずに息をしろ、と言われても根性でどうにかなるものでもないだろう。深海に生身で潜れ、と言われて、根性で水圧に耐えるなんて無謀な話だ。
けど、実際、根性でどうにかなってしまう事はある。頷ける。
でも、決して、根性論で世界平和は訪れないと言っておきたい。
「…………き、筋肉痛っ」
散々、宇宙だ、深海だ、世界だ、と壮大に話しておいて恐縮だけれど、目下オレが『根性でどうにかなるもんじゃねぇよ畜生』と、思っている事は、己の体に走る痛み……筋肉痛についてだ。
ううむ、しょうもな。
ちなみにこの筋肉痛、昨日まで散々イタリアでフルボッコ(修練)されていた為の後遺症だ。良く言えば頑張ってフルボッコ(修練)にされた、その勲章だ。
嬉しくない。
ついでに言うと、閣下に殴られたうなじも、死ぬほど痛い。
もう嫌だ。
「だ……誰か……助けてっ」
この言葉だけ聞くと、非常に紛らわしいが、オレが助けて欲しい理由は『体が筋肉痛で動けなくて床にのた打ち回っているから誰か手を貸して下さい』と言う、下手すりゃ一蹴されそうな理由だ。
でも残念ながら、今のた打ち回っている床は、オレの部屋の床なので、傍に誰もいなけりゃ、廊下への扉も開いていない為に、痛みに唸って求める、か細い助けの声も届かない。
「だ……誰か……助けて下さいぃ」
あわよくば綱吉公に助けて欲しい。
リボーン様は怖いから嫌だあああ。
「……おーい、時ーもう朝飯できてるよー……あれ、時?」
オレのテレパシーが届いたかどうかの証明なんてどうでもいいが、願ったとおりの同属性の綱吉君が来た事に感激。リボーンが来た日にゃ筋肉痛が悪化する事間違いなしだもの。
でもツナってば、オレを見失ってしまったようで(ベッドから落ちて、のた打ち回った果てに、入り口の床に移動していたので、ツナの視界からうっかり外れてしまっていたらしい)このままでは、ツナがオレに気付かず部屋を後にしてしまう。
それだけは頂けない……!
ので、ある種のゾンビ映画を再現。
足首を掴めば、もう逃げられない。
「ひぎゃあっ!!」
「ツナ……たすけてください」
「ぐわぁっ!!」
蹴りをかまされるだと……!?
「オレが……オレが一体何をしたというんだ……っ」
「……って、うわ! とと、時何やってんだよ! ビックリするだろ!」
驚いたツナに顔面蹴られて意識が飛びかけた。
ああ、いや、そこはもういい。
「綱吉さん……助けて下さい」
「は!? ……え、な、何、どうかしたの!?」
「筋肉が休暇寄越せってスト起こしました……」
「…………………………………………………………………………は?」
そんなツナの、長ーい沈黙を置いた一言の後、なんとか下の階まで引きずって頂き、無事朝食にあり付けたのだが、ランボとかリボーンに危うく筋肉痛悪化されそうになって、もう死ぬ。学校休む――――
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