◆ Ⅴ - ⅲ ◆ Ⅹ ◆
「…………………………………………………………何やってんだ白井」
聞いただけで分かるほどに呆れた声は、オレの耳にはとても馴染みのあるもので。そしてその声は多分、この場に居るおじ様たちも知っている筈で。「ごっ君んんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんんっ!!」
銀色の髪をした少年――獄寺隼人の登場で周囲が沈黙に包まれた中、突然叫びだしたオレに、その場にいた全員が体を揺らす。そして、ごっ君に向かって駆け出すオレ。駆け出した瞬間、突きつけられていた銃口がオレの肩へとえぐり込むように当たったが気にしない。オレの思考回路は既に現状からエスケープ。駆け出した後は、ただひたすらに、ごっ君の足へと飛びついて、しがみついていた。「助けてごっ君! 時さん死ぬ! 殺される! まだ死にたくないい! もっと生きていたい! マリオに踏まれて潰されるのだけは嫌だあっ!」
どっかの栗みたい死ぬのだけは嫌だあ!
「ばっ!! 足に引っ付くな! うっぜぇ!」
「ひでえ! お前それでも友達か! それでも不良か! それでもマフィアか! それでもイタ公か! それでも右腕か! それでもタコヘッドかあ、くらあ!」
「最後関係ねぇだろがっ!」
「お友達がメン・イン・ブラックに殺されるか、ナニされるかなんだぞ! 何の関係もない一般市民がイタ公に、その一生を無下に銃弾で撃ち抜かれそうなんだぞ!!」
「知るか……っ!!」
「タコでなし!!!!!!!!!!!!!」
「ヒトだ!!!!!!!!!!!!!!!」
「白井てめ「ぐご!!」――ぬあ゛……っ!!」
……ん?
「すみません十代目!! お怪我はありませんか!?」
「だ……だい……大丈夫……っ」
「よ……良かった………………っオイ白井ぃ……!」
「きゃーーーーーーーーー! ごめんなさい! ごめんなさい! ごめんなさい! ごめんなさい! ツナが君の後ろにいるなんて知らなかったんだよお!」
「ごめんよツナ! ごめんよツナ! オレはごっ君が華麗にすっ転んでくれたらな、って、思っただけなんだよ! 決してツナに被害を与えるつもりなんてなかったんだよ!!」
「オレは良いのかよ」
「いいんだよ。とにかく不可抗力だったんだよっ! ごめんよツナ、時さんの事嫌いにならないで! 洗濯物一緒嫌、なんて言わないで! お風呂一緒嫌、なんて言わないで!!」
「言わないけどさ! て言うか風呂なんて一緒してないだろっ!!」
「やーー! お父さん拒絶された!!!!」
「いい加減に し ろ っ !!」
「スミマセンデシタ……ゴメンナサイ……ソーリー……」
「ご……獄寺君……今のは痛いんじゃないかな……?」
「いいえ十代目、こいつの頭はこれくらいしないと衝撃が脳内まで行き届きません。それに十代目の寛大な御慈悲をこんなのにくれてやるなんて恐れ多いです」
「ぐお……ごめんなさいっ! こんな大人でごめんなさいっ!」
「後で反省文書かせてやるから覚悟しろよな、白井」
「ぐおお……! ごご、ごめんなさ、それは、それだけは勘弁して下「んあ゛あ!?」了解しました局長。切腹の準備は出来ています」
「……お、おいツナ? コイツお前の知り合いなのか?」
殴られた痛みに、ごっ君へとぐちぐち言っていたら、背後から声。後ろを振り向いて目に飛び込んできたのは、黒服のおじさん達をバックに携えた金髪兄さん……ディーノさんがコチラに苦笑を向けていた。