◆ Ⅴ - ⅶ ◆ Ⅹ ◆
なんかこの坊主は、時々、年に似合わない大人びた顔をする。
まあ、それも一瞬なんだが。
大人びた顔でツナと獄寺に視線を送っていたかと思えば、またガキらしい顔に戻る。よっぽどマフィアになるのが嫌なんだろうな。顔に、もの凄い影を落として、今にも死にそうだ。
ああいうのを見ると、昔の自分を思い出して同情しちまう。
「……ん、まあ、なんとかなるだろ。なあ、リボーン」
机の上からオレの足元まで移動してきたリボーンに、うな垂れてる坊主について尋ねる。どうせこいつの事だから、根拠のない自信で『当たり前だ』とかなんとか言うんだろう……と思ったが。
今回は少し、事情が違うらしい。
「さぁな」
「……は?」
帰ってきたのはリボーンにしては珍しい、実に曖昧な答えだ。
肯定でも、否定でもない、全く分からないと言う様な。
「……珍しいな、お前がそんな風に言うなんて」
てっきり『坊主に目を付けた俺凄いだろ』とでも言うと思ったんだが。
「こればっかりは、俺にもどうしようもねぇみてぇなんでな……時自信がどうにかするしか、もう方法はねぇらしい。面倒な話だが」
『トキ』……と、言った時に坊主へと向けられたリボーンの目は、たまに見る真剣なそれで、そんなリボーンの目に感化されてか、思わず俺も坊主へと視線を移していた。
目の先には、ツナ達とファミリー入りについて、何処か楽しそうに話している坊主――トキ。移していた視線を戻せば、先程と変わらない真剣な眼で、トキの事を黙って見つめているリボーン。
よく……わからねぇが。
多分、何かが起こっているんだろう。
そして恐らく、良くない方向に向かっている。
「……なあ、リボーン。一体、何が起きてるんだ?」
「……さあな。俺にも良くは分からねぇ……ただ――――」
状況を理解したくて、思うよりも先に、俺の口はリボーンへ疑問を投げ掛けていた。そしてそれに対して、分からない、と返された答え。そして付け加えるように言い放たれた、理解しがたい内容の話。
「ただ分かってんのは、あいつが何かに“はめられ”ようとしてるって事
だ。しかも恐らく、相手は人間じゃねぇ……化け物でも……ねぇ」
……あー、ますます状況が分からなくなってきた。
「人間じゃない……って、じゃあなんだって言うんだよっ。何処かのマフィアが作った新型兵器か? 生態兵器か? それとももっと別の」
「……後で詳しく話す。お前も色々探ってくれ。ただし――――」
『ツナ達には言うな。自分達の力でこの壁を乗り越えねぇと意味が無ぇ』
……状況は、意外と深刻らしい。
多分これは、こいつ等……小さいファミリーのでかい……でか過ぎる試練。しかも、あまりにも、異様だ。リボーンの口から直接話を聞いてるってのに、そう簡単に理解は出来なかった。
不可解な事件の、大まかな概要は勿論。
並盛で坊主が起こしたとされている、事件そのものも。
『坊主がそんな事するなんてありえねぇ』
そう、理解なんて出来やしなかった。
『初対面で何が分かる』とでも、言われれば終わりだが。
……分かる。
伊達にこんな世界で生きちゃいない。
人間を見る目はある。
それに。
トキには“そう”言わせるだけの、何かがある。
根拠なんて聞かれたら、俺自身にも良く分からない。
ただ……ただ、俺の中の何かが“そう”訴えるんだ。
だからトキ。
俺はお前を信じる。
そして頼む。
ツナ達を……信じてやってくれ――――
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