ⅩⅧ - 人皆旅人

◇ Ⅷ - ⅱ ◇ Ⅹ ◇

 薄青色の空に、陽が昇った。
 冬らしい朝の空気だ。


 枕元に置いてある目覚まし時計の音で、オレは目を覚ます。目覚まし代わりの携帯を無くしたオレに、奈々ママが買ってくれた物だ。丸くて、木の暖かな風合いが出ている、針時計。実は、かなり気に入っていたりする涼やかな鈴の音を鳴らす、それを止めて、朝の陽差しを浴びる為に、窓を覆っているカーテンへと手を伸ばす。


 今日も実に良い天気である。


 まだ青と言うには薄い色の空に目を細めて、ここ最近で日常化した作業に取り掛かる。寝巻きを脱いで、制服に着替えて、オレにとっては数年前に終えた日常。


 着替える時に、少しだけ、絆創膏を貼った左頬が痛んだ。


 洗面台で顔を洗って、歯を磨いて、新しい絆創膏貼って、おはよう、と朝食とみんなの待つキッチンへと行って、そんじょそこらに結構転がっているだろう、普通の日常。オレにとっても、大分と馴染んできた、違う世界での暮らし。


 だけどここで、差異だ。


 キッチンの机を囲むようにして、何時もと同じ位置の椅子に座る面々。

 イーピンと些細な事で口喧嘩するランボと、それを仲裁するフゥ太。リボーンと、見ているコチラが恥ずかしくなる様な空間を築くビアンキ姉さん。そして、皆にご飯を振舞う奈々ママと目が合う。

『――――おはよう、時君』

 そう言って笑う顔は、何処となく申し訳なさそうで、何処となく悲しそうで。奈々ママは悪くないのに、そんな顔をさせてしまっているオレが情けなくて。奈々ママにも元気が行き渡る様に、精一杯の笑顔で返事を返す事しか、オレには出来なかった。


 今日は独りで登校する事になった。
 原因はそう……昨日の夜の出来事だ――――

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