ⅩⅧ - 人皆旅人

◇ Ⅷ - ⅳ ◇ Ⅹ ◇

 後は……どうだったろうか?
 こんな感じだった……かな。

 閣下が風紀の人間を現場に呼んで、ツナ達三人をその場に残して、当初の予定通りオレを沢田家に移送。ツナ達と帰りたいと言ったが、オレの意見は思いっきり却下されて、無理やりバイクの元へと引きずられた……ような気がする。

 ツナ達には、先に帰る、と言ったけど……返事、は……どうだったろうか。視線は交わしたろうか。良く覚えていない。帰路で閣下と交わした言葉と、頬を撫でる冷たい風の感触だけは、いやにはっきり覚えていて、本当、嫌だな。

『余計な事を言おうとしたね』
『余計……っすか』
『余計だね』
『事実だし』
『じゃあ、君の言うその“事実”を、どうやって“事実”とするの』
『………………』
『あの“白井時”を彼等は見ていない。消えてしまった“事実”だ。それを君は、彼らに言う気なのだと言う。『これは事実だ。信じてくれ』とでも、君は懇願するんだろう』
『……だって』
『ナンセンスだ。確証の無い事実は、その事実を捻じ曲げる要因にしかならない。やるだけ無駄。言うだけ無駄。黙っているのが賢いね』
『ああああ、きたこれ……中坊のくせに生意気なっ』
『君も中坊だよ、部外者』
『ヒバリー爆発しろ』
『咬み殺すよ』
『……ムカくくらい冷静で、ムカつくくらい真っ直ぐで、ムカつくくらい横暴で、ムカつくくらいドSなのに……なんで嘘を言わないんだよ』
『主義じゃない』
『はっ……雲雀恭弥は苦手だなあ、やっぱ』
『僕も君は苦手だ』
『やりい、弱点発見。草壁さんに教えてやろ』
『咬み殺すよ』
『……はは』

 思い出せば、やぱり爆発しろと思うのだけど、他愛の無い内容も話していたな。でも……その後は……オレはどうしたかな。閣下に移送されて、仕事を渡された、様な気がする。終わらせたかな。後で見てみよう。夕飯は……みんなにただいまって、言ったかな?


 参ったな。
 物忘れ酷いな。

 ……ああ、でも。
 そう、でも。


 三人の、あの眼だけは覚えてる――――

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