◆ Ⅸ - ⅶ ◆ ⅩⅩ ◆
「……だ……って……っ」
「ま……だ、言うか……っ」
「…………っ」
「……なぁ、時。オレも、獄寺の言いたい事は分かる」
「……うん、オレも、なんか分かる……かな」
「だ……て……っ」
強く……大人であらなくちゃいけない。
弱くちゃ、ダメなんだ。強くないと、強くあらないと、一人じゃ生きていけないじゃないか。しかもこんな……こんな、自分の居場所なんて何処にも無い世界で。自分の生きてきた場所とは違う世界で、自分の存在が一欠けらも無かった世界で。
「……皆……オレの事、嫌いんなって……っ」
怖くなった。
三人に嫌われて。
お兄さんには殴られて。
次はヒバリーかもしれない。
次は京子ちゃんかもしれない。
だって、所詮オレはココには居なかった人間だから。
いなくたって、何の支障もない人間だから。
「これ以上……これ以上、迷惑掛けて、嫌われたら……もう、オレ……ココに居られなくなるんじゃないかって……っ」
涙が、出てくる。
止めたいのに、止められない、涙腺が言う事を聞かない。
声が震える。
みんなの声が返って来ない。
怖い。
「……っ、ごめん……ごめんっ。すぐ、止めるっ、ごめん……っ」
「……っ泣け、馬鹿」
その声にはっとして、顔を上げた。
コタツ布団に埋めていた、恐らく、涙でぐちゃぐちゃであろう顔。
そうすれば、今尚、扉の前に立つ銀髪の彼――獄寺隼人は、口を尖らせながら、オレの方へと視線を向けていた。
「……別に、もう怒ってねぇ……つったら嘘になるが、そんな、泣いてるのなんて気にしねぇから……」
「……オレも泣いてるのなんて気にしないぜ、むしろ泣いてくれた方がなんか、頼られてるっぽくて嬉しいっつうかな」
「オレも平気。……て言うかその顔ヤバイよ……っ。ほら鼻水っ、ちゃんとかんでっ」
そう言って、オレの顔へとティッシュの塊を押し当てるツナ。
その間オレは、目の前で並んで立つ二人、それからツナの顔へと、交互に視線を送った。
ごっ君は、やはりまだ何処か怒っているのか、口を尖らせて、眉間に皺寄せて、仏頂面。山さんは、苦笑顔で、ツナも何処か、苦笑気味に笑顔を向けてくれている。
「お……怒ってないの……?」
隣に居るツナへと疑問を投げかかる。
が、帰って来たのは、少々怖い返答。
「怒ってるよ」
「あ、オレも」
「オレはずっとだ」
…………。
「だって、時、オレ達に迷惑掛けたろ?」
「十代目の言うとおりだ、川なんざに潜りやがって……」
「でも、オレ達も悪いよな」
「当たり前だ」
「うん、オレ達も悪い」
つらつらと、何かを納得しあって居る三人。
迷惑を掛けて怒っていると言い、けれど、自分達も何故だか悪いと言い、良く分からない状況。
「時はオレ達に何の相談もなしに勝手に川潜った、オレ達は時の事信じてやれなくて時の事突き放した」
「…………」
「……なんかさ……今回はみんな、から回っちゃったんだよな……」
色々といきなりで、色々と訳分からなくて、色々と擦れ違って。
「でも、さ……また向き合えると思うんだオレ達……て言うかもう、向き合ってると思う」
「だな」
「うん、だからさ、今度はもっと、ちゃんと頼ってよ時」
「……頼……る……?」
「うん、時はもっとオレ達を頼って、オレ達はもっと時の声聞いて……って、なんか今更だけどさ。ほら……オレ達――――」
――――友達、だろ?
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