◇ Ⅷ - ⅱ ◇ ⅩⅩⅩ ◇
頭がいかれたかと思った。
現れるはずのない人が来たから。
だってオレは、彼の“敵”だ。
大切な妹を泣かせた奴なんかを、普通、助けるわけがない。
助けたところで害しかないし、また妹が泣くかもしれない。
――――でも彼は来た。
理由は知らない、分からない。
でも、一つだけ、解る事がある。簡単な事だ。
――――彼は『ヒーロー』だから。
紙の上のヒーローの一人。
でも今、オレを助けに来てくれた確かに存在するヒーロー。
簡単な事だ。ヒーローは悪人だって助けてしまうんだ。そして、その悪人は何だかんだで絆されて、最後は一緒に戦って、友達だか、戦友だかになって、笑って大団円になる。
最高じゃないか。
漫画みたいに、ドラマみたいに、映画みたいに、涙が出るほど最高のそんな話を望んだって、この世界なら別に構わないだろう。
……なあ、了平兄さん。
そんな勝手を望んでも……構わないだろ?
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