◆ Ⅲ - ⅲ ◆ Ⅹ ◆
――――今日一日のオレの評価。
推測するに、バカ六割に対し、アホ六割。
やや……オレってば百二十パーセント酷い評価。
只今の時刻、並盛中放課後。
まだ校内から生徒達の賑わいが耐えない時間。
オレは今一人で、一年A組の自分の机に突っ伏して、本日の出来事を走馬灯の様に……嫌だなこの例え、まあ走馬灯な感じで思い出している所だったりする。たったそれだけの行為で、まさに死にそう。
朝のニュースで、オレの携帯が何故か強姦魔の物と報道され、結果、学校へと登校したオレの評判はがたがたに、がた落ち。あっちからバーカ、こっちからアーホ。今まで生きてきて、こんなに微妙な中傷され続けたの今日が初めて。ある意味、奇跡体験アンビリーバボー。
………………。
なんだか、涙が出ちゃう、だって中学生だもん。
……………………………………………………はあ。
「……なんか疲れた」
今日一日で一週間分の疲労を背負った感じ。
罵倒されている間はツナ達も居て、かつ、励ましてくれたりしたのでそう辛くはなかった。しかも中傷単語のレベルが著しく低いし……だから別段気に掛けるものでもない、と思ってガン無視していた。
でもね、オレの魂が叫ぶんだ。
学生達の言葉に対して、嘆き悲しむんだ。
「ボキャブラリーが無えよおあぁぁぁぁーーーーっ!!」
とまあっ! かなりどうでもいい訳だが!
しかし、突っ込まずにはおれなんだ!
オレの芸人魂が震えるのだ!
なんでやねーん☆ とか。
どないやねーん☆ とか。
いい加減にしろやーい☆ とか。
「ああああ! オレもボキャブラリーねえじゃあねえかあぁぁぁぁっ!」
「何やってんだよお……っ!」
自分のボキャブラリーの無さにも驚いたので、机に足乗せて頭抱えて天井に向かって叫んでたら、トイレに行ってたツナ帰還。ちなみに山さんは部活……て言うか、見られただとっ? オレの醜態を晒してしまっただとうっ?
「お、親父にも見られた事ないかも知れないのにっ!」
「どっ、どっちだよ……っ!」
「やっ、家でも奇声上げてたらから、見られていた可能性が無きにしも非ず……って、あ、でもちょっと気付いちゃったぞ。今更オタクの醜態晒したからって、オタクの評価が何時もの如く下がるだけじゃないか。ふ、焦ってしまった」
「ど、どうでもいいけどっ、早く行こうよ……っ。見てらんないよ、一応身内なんだからっ。なんか酷かったよさっきの……っ」
って、はは、焦るなツナ、きっと君も二十歳になったらこうなるよ☆
とりあえず悲しいコントに満足したので、机に置いていた鞄を肩に掛ける。次いで「今のは皆に内緒な」と、一応ツナに釘を刺す。そしたら、ツナが短く呻いた。『うっ!』って『ギクっ!』って『それはっ!』って感じの呻き。そして、視線を己の背後へ。ツナがなんだか変だったので、オレもその視線を追う様にして、ツナの背後を見やる。
見やって、マイガっ!
痛い人(いや間違っちゃいない。間違っちゃ)を見るような大人の目でこちらを見るごっ君が口を半開きにして立っているじゃございませんか。
一番最悪な畜生に見られた。
「……行きましょう十代目、そんなバカと居ると十代目にも感染します」
細菌扱いだとっ!
「ツナ。今日の夕飯、タコの刺身を推奨する」
タコヘッドの言葉に時さん憤慨。
ごっ君の傍まで寄って顔を突き合わせながら、背後のツナへとごっ君への嫌味を推奨。焦るツナの声にその姿さえも想像出来るが、知らないよこのタコヘッドが悪いんだよ。
そんなオレとごっ君の間に入って、何とか二人の衝突を避けようとするツナ。んがしかし、時既に遅し。オレとタコソンの目と目の空間では、火花がバチバチ言ってんよ。
「何眼飛ばして来てんだよ白井」
「はっはー。ボッコボコにしてやんよ」
「ちょ、二人共!」
「おぉーおぉー、やってみろ腰抜け、ヒバリから逃げ回るしか出来なかった根性無しのチキン野郎が。てめぇなんざ、一瞬で果たしてやるぜ」
「やれるもんなら、やってみさらせ。チキンの逃げ足舐めんなよ。チキンが持つ、見事なまでの逃走根性舐めんなよ。て言うかごっ君もヒバリーに勝った事無いじゃないかっていう」
「ねえってばっ!」
「べっ、別に本気出してねぇだけだ、あんなヤツすぐにだな……っ!」
「おーおーやってみさらせ、タコヘッド! もし勝ったら、オレも閣下に一発かましてやんよっ! ついでに貴様の脳髄もぶち抜いてやらあな!」
「………………はあっ!」
「ふっ、い、言いやがったなっ、その言葉忘れるんじゃねぇぞっ!」
「はっはー! 時さんに二言は無いぜよ!」
「だったら二人一遍に咬み殺すけど。準備は良い?」
「あ゛?」「んん?」
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