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◆ Ⅲ - ⅵ ◆ Ⅹ ◆
「……どう駒を進めても、答えは『白井時』だ」
その、何処か凛とした声に、オレ達三人は制止。「……『黒髪の少年』『一Aの編入生にやられた』『白井と言う名前を呼ばれていた』『身長は一五六センチ程』『瞳もまれに見る黒色』……」
断片的な言葉を連ねる、廊下の彼。「……部外者は、昨日と一昨日の深夜、何をしていた?」
次いで放たれたオレへの疑問。
「え、っと……お、一昨日、昨日……は、寝てたっす……」
「それを証明する人間は?」
「や……いないっす……深夜だし……」
「この辺りの地理は?」
「……? 詳しいかって事なら、まぁうん、地図は頭に叩き込んだし」
「………………」
「じゃあ……携帯電話は?」
今現在、オレを犯人とさせる最も的確な情報。「――――これで決まりだ。今、最も真実に近い答えは『白井時』。この携帯は暫く預かっておくよ部外者。取り戻そう、なんて考えは、起こさない方が身の為だ」
そう言って自分の目の前にビニール袋をかざす。その中には、まごうことなきオレの携帯電話。メタリックブルーのボディで、折り畳み式の薄型で、ストラップにはコミケで買ったミクちゃんストラップが。
「ちょ! 待って下さい! そんなの可笑しいすぎる! オレは絶対に信じない! 時はそんな事するはずない! もっときちんと調べて下さい雲雀さん!!」
「そんなの知らないよ」
「な……そんな! 横暴だ! いくら雲雀さんだからって……こんなのオレは許せない! やってもいないのに、やったなんて、そんなの間違ってる!!」
「事実を言っているまでだ」
「そんなの、でたらめじゃないか!」
「何故そう思う」
「信じてるから!」
「嘘だね」
「……な!?」
「君は心の何処かで思っている筈だ。彼が犯人ではないのか……ってね」
だからそうやって必死に否定する。