ⅩⅢ - 人皆旅人

◆ Ⅲ - ⅷ ◆ Ⅹ ◆

 二人はずっとオレの傍にいた訳だが、ツナなんかは、意気消沈、と言う顔で突っ立って、ごっ君はそれを酷く心配そうに、そして苦しそうに見つめていた。


 多分、彼等は、さっき言われた言葉を気にしているんだろうと思う。気にするな、と言うのは簡単だけど、それだけでどうこうなる様なもんでもない。人間ってそういうもんだ。

 だからここは――――

「なあ、ごっ君よ。今日は別々に帰ろうか?」
「……あ? ……え? ……はっ? な、なんで! ……だよっ」

 オレの申し出にごっ君は少しだけ動揺する。
 ツナの肩も少し揺れた気がした、表情は俯いているので分からない。

「いやほら、オレはさっきのなんて全然気にしてないけどさ。オレにはツナ達しかいない訳だし。でもやっぱ少し落ち着きたいだろ?」

 ごっ君も、ツナも、そしてオレも。

「だからさ、オレがいない方がきっと、色々、整理出来るだろうからさ。今日は別々に帰ろう? な? その方が多分……いいと思う。そんでまた明日から、一緒に登校だ! ね!」

 伺うようにそう言えば、ごっ君も、しぶしぶながら、了承してくれた。
 いつもならここいらで食い下がってくるが、何分、今が今だ。
 ごっ君はなんだかんだ聡い子なのである、というオレ分析。

「なー! もう! このツンデレの鏡め! 君のそういうとこ、ツンデレ大好きなオレとしては、たまらなく愛おしいのだけれど、どう責任取ってくれるんだこんにゃろ!」
「うるせぇ! 訳分かんねぇ事言ってねぇで、さっさと行け!」

 ああ、これだこれ。
 この調子が、ザ・獄寺さんだ。

「……じゃあツナも! また後でな! 道草たらふく食うなよ!」

 教室を去る際にツナの顔を見やったが、結局最後まで俯いてて、その表情は確認できなかった。早く何時もの笑顔に戻って欲しい、と願いながらに別れを告げて、外の喧騒に包まれながら、廊下を独り、歩いていった。

 学校に残る彼らは、今、何を想っているのだろうか。
 ああ、平凡無力な自分が、やるせない――――





 ――――イライラする。

 やってなんかいないんだ。

 何でアイツは笑っていられる。

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