◆ Ⅶ - ⅱ ◆ Ⅹ ◆
学校を終えて、風紀委員の雑用も終えて、雲雀恭弥閣下の見張り付きバイクで帰路につく、と言う奇怪な状況に陥って、その夜道――オレと閣下は、今、並盛を騒がせている出来事『連続強姦未遂事件』の、事実と呼ぶには少しばかし、ためらわれる、だけど確かに『事実』と呼べる出来事に遭遇した――――
「――――だ……大丈夫ですよねっ? な、な、なんか、ちょっと向こう側が透けて見えちゃったりする“なに”とか出ちゃったり……しない?」
「幽霊なんて、生きた人間に比べたら可愛いものだよ」
「そんなに幽霊に成り下がりたいのかい」
「なんでもないです」
「オレ……死ぬ気で犯人捕まえて見せます!」
「僕の背中にしがみ付いてる奴が言う台詞とは思えないね」
「うん、だって絶対沈まないであろう鉄壁のイージス艦が目の前にあるんだもの、使わない手はない。きっと、この型(雲雀号)の艦だったら一隻で空母級」
「イージス艦だなんて……咬み殺すよ」
「不服か!?」
「群れてる」
「そこか!?」
「軍だなんて群れの極みだ……」
『もしかしたらこの先で、誰かが襲われているのではないか?』
単純に考えて、こんな暗い路地に女性が一人でいる訳がないだろう。案の定、閣下の耳には女性の声だけでなく、もう一人……確定出来てはいなかったけど、何者かの声が聞こえたらしい。もしも、本当に女性が襲われているならば、一刻も早くその場に向かわなくてはならないし、あわよくば、事件の真犯人を捕まえたい。(ああ、いかんいかん! 気を引き締めねば!)
少し逸れていた意識をしゃんとさせる。ふざけ気味だったのは、ただ単に、幽……ふごふご、とかが怖くて気を紛らわせていただけだ。けど、そんな事言ってる場合じゃないんだ。加えて言えば、閣下の恐怖から逃げてる場合でもない。現場をこの目で捉える為。そして、一連の事件を起こした真犯人を、この手で捕まえてやる為に、もっと気を引き締めろ!
「……君ってやっぱり面白いね」
「え? やだなあ、こんな時に芸人魂褒められても嬉しくねえよお〜!」
「………………っは」
「うわ吃驚した! 嘲笑だとっ? 傷つくよ、時さんだって傷つく」
「っし」
「……!」