◆ Ⅶ - ⅱ ◆ ⅩⅩ ◆
――――ハルに、時の容態がひとまず安定した、って聞かされてから少しして、一階にいたらしい母さんから、ディーノさんが話があるらしい、って呼ばれた。
何時の間に帰ってたんだ、とか、獄寺君と顔を見合わせて疑問に思ったけど、廊下に立ちっ放しで、時の部屋のドアを開けっ放しって言う訳にもいかないから、とりあえず、母さんに呼ばれるまま階下に降りた。山本が少し名残惜しそうだったけど、ハルが何とか説得してくれて、四人でディーノさんの元へと向かう。
ディーノさん達が居るであろう居間に向かう途中で、少し忙しそうな母さんと廊下で擦れ違った。
オレ達にニ三言葉を掛けながら、手に氷嚢を持って上の階に上がっていったので、多分時の看病だろう。大丈夫だろうか、とは思ってもオレには何も出来やしないので、母さんと、母さんについていくハルをの背中を黙って見送る。
少しだけ二階に意識を飛ばしながら、居間へと続く廊下側の扉に手をかける。そして開ければ、腕組んで立つディーノさんと、コッチこそ本当に何時の間に来てたのか、シャマルがコタツで寛いでた。
いつもの真っ白なスーツに、獄寺君に似た髪形の黒髪。これまたいつもの様に酒飲んで酔っ払ってるからだろう、顔が赤くなって目が少し据わった顔。
この状態だと何処からどう見ても、『トライデント・シャマル』だなんて凄腕の殺し屋には見えない。
……て言うか本当に来てくれたんだ。
いやまぁ、ディーノさんが呼びに行くとは言ってたけど、シャマルは男は診ないって言うし、時を診てなんてくれないだろう、って諦めてたからちょっと驚いた。
コタツで、それも我が物顔で寛いでるシャマルばかり見ていても仕方がないので、オレ達を呼んだ当人――ディーノさんへと、呼ばれた理由も聞く為に視線を移つす。そうすれば何時から見ていたのか、オレ達の方に向けられてるディーノさんの顔。それがもの凄い剣幕で、凄く、驚いた。
……いや、怖かった。
ディーノさんはいつも優しそうな顔をしてるから、不意を突かれたと言うかなんと言うか・・・。
……見た事のない、本気で怒ってる顔が凄く怖い。
ディーノさんの怒気に、流石の獄寺君もたじろいだのか、右隣から少し呻くのが聞こえた。そして、そんなオレ達を視界に入れてるディーノさんは何も言わずに睨みを利かせたまま暫し沈黙。
怒気の含む視線を諸に受けるのはきつかったけど、オレ達を呼んだのはディーノさんなので本人が要件を言わない事にはオレ達も何も言えない。
だからオレはディーノさんが口を開くまで待つ事にしたんだけど……。
オレの隣に立つ人が、驚異的なまでの短気だと言う事を忘れてた。
「おいっ、跳ね馬! 黙ってねぇでなんか喋ったらどうなんだ! 用があるのはテメェだろうが!!」
ディーノさんに掴みかからんとする勢いで突っかかる獄寺君。
でも、ディーノさんはそんなの気にもせず、まだ何も言わない。
別に獄寺君に賛同する訳じゃないけど、ディーノさんが何でオレ達を呼んだのかは確かに気になる。
あぁでも、なんか嫌な予感がする……。
……とか思わない方が良かったのか、案の定嫌な予感は的中。口を噤んでいたディーノさんが口を開いたかと思ったら、今のオレ達にとって尤も痛い所……時の常態の理由について、疑問を投げ掛けてきた。
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