◆ Ⅴ - ⅳ ◆
「あの……こんな時になんですけれども、なんか辺りも暗いし、京子ちゃん達……プラス、ランボもいる訳で今日はこの辺にしませんかね?」
オレの言葉に呆けていた少年陣が、あ、と声を上げる。「じゃ、じゃあ送ってくよ、京子ちゃん!」
そうツナが言えば、連鎖反応で他の二人も続いていく。「えっと……君、は? どうするの? リボーンの言う通りだとしたら、家……無いよね? あ、ホテル取ってあるとか?」
ちょっ! オレみたいな訳分からない奴の心配をしてくれるツナに時さんとても感動しました。いい子だね、いい子だねっ。て言うか『異世界からの人説』信じてくれちゃうのねっ。「ぅんっ。大丈夫さ! オレ、旅先の一日目は大概野宿だから慣れてるんだな、安心し」
……あ! いや、その前に。「駅に行こうと思うのだが?」
しっかり、重要な事から目を逸らしていた訳だけれど、流石にこれ以上悠長な事は言っていられない。野宿も何も、こんな自分のいた世界とは違うらしい世界で夜を明かす場所を探すより前に、まず家に帰る事を考えなくちゃいけないんじゃないか。ていうか、そうだよオレ、家で無性にゲームやりたかったんだよ。「ごめんね今のなし。オレとりあえず家に帰るから。違う世界とか言われて途方に暮れてたけど、帰れないわけじゃないだろうし、帰れるならオレ家に帰りたいわけで……ああ、いやとりあえず帰るよ。ごめんね、なんか色々無駄な心配させちゃって、いや本当ありがとう。それじゃ青少年、暗殺犯に殺(ヤ)られないように気をつけて帰るんだぞ」
勢いのまま言葉をまくし立てて『REBORN!』世界の皆さんに口を挟む隙を与えず、ははは、と爽やかに現状からの脱出を計ってみた。何より『家に帰りたい』と思ってしまったら、ホームシックかなんなのか分からないが、さっきまでの現実逃避が嘘の様に“現実”を認識する自分がいて、この“とんでもない状況”から逃げ出そうとする自分が意識の先頭を切って行動を起こしているのが分かった。「待ちやがれ馬鹿野郎」
何時の間にか銃に消音機を付けやがってる殺し屋にオレの足が止められた。夜だからか? 夜だから、ご近所を考えてそれを付けたのか? その優しさを少しでもオレに向けてくれません(以下銃撃(消音機付き)による強制中断)。「駅は無ぇと言った、だったら帰れるはずもねぇ。違うか」
……確かにそうだけど。
「え、駅は無くても、帰れないっていう理由にはならないと思われ……」
「いや無駄だな」
「い、いや譲れねぇなっ」
「帰れねぇ」
「いや、帰れる」
「……おいツナ。駅はあると思うか? コイツは帰れると思うか?」
「えっ? お、オレっ??」
「卑怯だっ」
「うるせぇ。で、どうなんだツナ?」
「えっ? えっと……そりゃ、無いんじゃないのか?」
「ほら見ろ。じゃあコイツは帰れると思うか? “感”で答えろ」
「いや駄目だ! 答えるな綱吉君! 君のその一言に世界の命運が掛かっているんだ! いいか! 実は君の体には悪の秘密結社によって埋めつけられた核爆弾の起爆装置が」
「十代目のお言葉を遮るんじゃねぇ!」
「ほら、さっさと答えやがれダメツナ」
「う、うるっさいな! 分かったよ答えればいいんだろ!? なんなんだよもう…………えっと? その……この人が家に帰れるかどうかだろ? そりゃあやっぱり電車に乗ってきたんだし帰れるんだろうけど……」
「でも駅が消えてるんじゃ……無理……じゃないかな?」
「マイガッハッ!」
「ほら見ろ帰れねぇ。無駄に足掻くな」