◆ Ⅰ - ⅷ ◆ ⅩⅩⅩ ◆
「…………?」
振り返った目の前には時が立っていた。「……何処に行くのツナ」
そうオレに問う時の目は、夕暮れの所為で何時もより黒が深く見える。
「ど、どこって、シャ、シャマルを……呼びに……っ」
「シャマルさんならもういないんじゃないかな」
「そ、そんなの分かんないだろう……っ」
「そ、そこどけよ……っ」
「どうして?」
「う、るさいっ、どけよっ!」
「ク……ククク、何故?」
目の前の時は、いや、“時の姿をした何か”は、その時と同じ口元を大きく吊り上げて、時とは全く違う声質で、八重歯を光らせ、そう言った。「……お、まえっ、なんだよ……!」
オレを見て哂う“何か”に言う。
「何? と問われれば、“白井時だ”、としか答え様がない状況だが」
「うるさい! お前は時なんかじゃない! 獄寺君達がが苦しんでるのに時が何もしないもんか! それにお前……っ」
「んー……? 理解しがたい言葉だな。何を持ってして、違う、と言っているのか実に理解しがたい。もう少し分かり易く話して頂けるかな?」
「黙れよ! お前は時じゃない! 分かるんだ! 分からないけど分かるんだよ! お前は時じゃない! 時であるわけがない! オレが今まで感じてきた時は、お前なんかとは全然違うっ!!」
「お前は時じゃないっ。お前の言葉なんかでオレは惑わされないっ!」
「………………」
「君のその“血筋”は気に入らない」